夢にまで見て(詩)
そんな顔して泣かないで
と言われて、私はきっと
ひとりでは生きていけないと思った
写されたものは
いわゆる、そんな顔。
拒絶、を一つ一つ丁寧に織り込まれた、それ。
傾いた電信柱が
それでも繋いでいるどこか
それは例えばありふれた話の延長線上の先で
繋ぐでもなく
何も言わずに
照らして
悪かったなら謝るよ
と言われて、私は
写りこんだ気がした最後を想った
掴むことも出来ない
宙に消したそれは
またどこか
あるいはまだここに
照らされて
私の輪郭を
どこまでも描いていくような
境目のない現実と、夢
そんな顔しないで
そう言って見たそれは
さよならも言わずに
私はひとりで
ひとりではないと
照らされたまま
ただ、遠ざかっていった